約6年間のサラリーマン生活を経て共同経営の会社を設立するも、短期間で倒産させ、再度のチャレンジでも上手くいかず、20代後半までに結局2度の会社倒産を経験している人物であること。
その後、FA(ファクトリーオートメーション)用センサーや計測器の開発・販売を手掛けて業績を伸ばし、1986年10月に商品ブランド名のキーエンス(KEYENCE)と商号の統一を図るために株式会社キーエンスに社名を変更。
また、従業員の人数も単純計算で189名増加しています。
退職者もいるので、仔細は不明ですが、新卒・中途採用とも継続してかなりの人数を採っていることがわかります。
キーエンスの本社は東京ではなく大阪。JR新大阪駅の近く
キーエンスは、国内・海外(北米・欧州・南アフリカ・中国・アジア・中東・オセアニア)に営業拠点を張り巡らせていますが、本社・研究所は、大阪府大阪市東中島(JR新大阪駅の近くです)に構えています。
この社屋が建てられたのは1994年とかなり年月が経ってしまっているのですが、高さ111メートル・21階建てのビルは非常にスタイリッシュで、数々の賞にも輝き、現在でも古くささを感じさせません。
創業者の滝崎氏は2000年12月に、当時43歳だった生え抜きの佐々木道夫氏(明治大学政治経済学部卒業)に社長職を譲り、55歳で代表取締役会長に就任。
自身が会長に退いた理由を、
“「創業当時から自分がいなくても、会社が回るようにずっと考えてきました。会長に退いたのも、私が半年1年いなくてもこの会社は回るなと思ったからです」”と語っています。
(引用元:2003年10月27日号 日経ビジネス 特集 利益率40% 驚異の経営 キーエンスの秘密 編集長インタビュー 滝崎武光氏[キーエンス会長] 会社に思い出は不要)より。
2012年12月からは、佐々木道夫氏は取締役特別顧問となり、当時45歳だった山本晃則氏(立命館大学理工学部卒業)が代表取締役社長が就任。
滝崎氏は引き続き会長職に就かれていましたが、2017年12月からは取締役名誉会長を務めておられます。
2019年12月には、山本晃則氏は取締役特別顧問となり、1974年生まれの中田有氏(関西学院大学法学部卒業)が代表取締役社長に就任しています。
そして、
キーエンス社長の年収・役員報酬は意外に低い
モンスター企業のキーエンスですが、意外に経営トップの年収はそこまで高くありません。
従業員の最高平均年収は約2,279万円ですが、
創業者の滝崎氏から数えて、4代目代表取締役社長を務められている中田有氏の年間役員報酬は2023年3月期の有価証券報告書によると、1億8,800万円
前社長で、現在は取締役 特別顧問を務められている山本晃則氏の年間役員報酬も1億1,300万円です。
社外取締役をのぞく、他の常勤取締役に1億円プレーヤーはいません。
これには理由があり、創業者の滝崎武光氏が社長在任時代に、自身の報酬を低めに設定していた伝統が残っているからです。
滝崎氏自身“「サラリーマン社長と同等にしている」”とインタビューで発言しており、役員だからといって、億単位の役員報酬をもらっていなかったのです。
現在、SHIFTの取締役副社長を務められている、キーエンス2代目社長・佐々木道夫氏の後継者として、
3代目社長を務められた山本晃則社長も、
年間役員報酬は、2018年3月期の有価証券報告書で1億3800万円。2019年3月期が1億5600万円でした。
そして、2019年に社長職を中田有氏にバトンタッチされ、取締役特別顧問となられた2020年3月期の有価証券報告書では1億5000万円。
2018年6月には、給付型奨学金を提供するキーエンス財団を設立
また、滝崎氏は2018年6月に、まだまだ日本では浸透していない大学進学者向けの給付型奨学金を提供する一般財団法人キーエンス財団を設立され、代表理事も務められています。
2019年4月大学新入学生を対象とするものですが、募集人数は125名程度で月額8万円を在学中の4年間支給する
(4年間の合計支給金額は384万円になります)
という返済の必要がない奨学金ではかなり規模の大きなものです。
現在の日本では経済的な理由で奨学金を利用して大学や専門学校に進学される方が多くなっていることは事実です。
ただ、その奨学金の大半は貸与型であり、卒業後に社会に出てから返済の必要があります。
若くして高収入が得られる職に就き、奨学金の返済を滞ることなく支払える方もおられるでしょうが、不安定な立場や低収入から返済をすることができず延滞金が上乗せされ、最悪の場合、自己破産に追い込まれ、人生に大きな狂いが生じている方も多く存在していることも事実です。
そんななかで、前途のある学生に返済不要の給付金を提供する財団を立ち上げられたのは素晴らしいことだと思います。
実は、滝崎氏が奨学金に目を向けたのは今回が初めてではありません。
1990年にアジアから学びに来る理工系の留学生の為に、私財3億円で奨学基金を設立していました。
さて、キーエンス財団の事務局も大阪府大阪市東中島キーエンス本社ビル内にあります。
これは公私の区別を厳しくしている滝崎氏らしいと思うのですが、普通、成功を収めた事業家などが奨学財団や文化・スポーツ振興財団を設立した際には、自分の苗字を財団名の頭に付けていたり、理事や評議員に親族が名を連ねているケースがほとんどです。
また、自らの人脈をアピールする目的もあるのか、財界や学界、専門分野のなかでも著名な人物や肩書きが立派な人物の名前が並んでいることもあるのですが、キーエンス財団の場合はそういったものがないように感じられます。
理事や評議員のなかに、滝崎氏の親族は誰ひとり名前がありません。
奨学金を給付する有能な学生を選考する為には、どのような人物を置けば一番効果的で合理的かという滝崎氏の哲学が、この財団にも表れているような気がしてなりません。
ミステリアスな滝崎武光氏の詳細なプロフィールをご紹介
さて、日本人長者番付2位の大資産家である滝崎武光氏ですが、その人物像はほとんど知られていません。
第一に滝崎氏自身がメディアに露出しないからです。
よって、ウェブ上では〝前半生が謎〟であるとか、〝来歴や家族関係は一切不詳〟と書かれているページすら見受けられます。
また、〝韓国〟というキーワードが検索されていますが、韓国に縁のある人物であるとは確認できません。
さて、滝崎氏自身、社長職を退いて、会長となって以降はたった一度しかマスコミのインタビューに応じていません。
名誉会長に就任して、後進に会社を託すような形となった現在では、メディア露出の可能性は更に低くなったと思います。
東証1部上場企業の創業者ですが、財界活動にも全く興味を示さない人物ですので、世界に通じる日本有数の大富豪として一部の人だけに名前を知られた状態で、このままミステリアスなイメージを保っていくのではないでしょうか。
それでも、まだ1980年代、1990年代には、多少ではありますがマスコミの取材やインタビューに応じていました。そこで語られたエピソードを中心に、滝崎武光氏に迫ってみたいと思います。
滝崎武光氏は1945年兵庫県出身の78歳です
滝崎武光氏は1945年(昭和20年)6月10日兵庫県芦屋市で出生しています。
現在は大阪府豊中市に在住です。
芦屋市といえば、関西で一番富裕層が集い邸宅を構えているようなセレブなイメージがありますが、滝崎氏の父親はお金持ちでも経営者でもなく一介のサラリーマンでした。
しかし、真面目で働くことを美徳とする人物だったようで、モノ作り一筋の滝崎氏の人生にも大きな影響を与えている気がします。
その父親がメーカー勤務だったのかはあきらかにされていませんが、幼い頃、父親とともに住友金属工業(現在の新日鐵住金)和歌山製鉄所へ行ったときの思い出が滝崎氏には強く残っているようです。
当時、この製鉄所の中には、そこで働く人々を運ぶバスが運行されていました。
滝崎氏はこのときを振り返って、
“「理屈っぽい性格なので、これほど巨大な工場が何のためにあるのかを考え、自分の生活にも寄与しているんだと気が付いた」”
と語っています。
また、父親は機械の見本市にも武光少年を連れていったりもしています。
武光少年は小学校の卒業アルバムに『今度会うときにはテープレコーダーを作っているだろう』と寄せ書きしていたそうで、中学校時代には、友達から10円を集めて薬局でマグネシウムなどを購入して、実験をしていました。
モノづくり
や電気いじり、科学実験
好きの少年時代を過ごしたようです。
尼崎工業高校電子科時代、一流の事業家を志す
滝崎氏が中学校卒業後に進学したのは、兵庫県立尼崎工業高等学校電気通信科(在学中に電子科に名称変更)でした。
(尼崎工業高校の後輩にはダウンタウンの松本人志
氏(機械科卒業)がおられますが、島田紳助
氏と共演していたトーク番組『松本紳助』内で「賢いクラスがありましたねえ。電子科は賢かった」と発言していましたので、いくつかに分かれている科のなかでも、滝崎氏はレベルの高いクラスに在籍していたと思われます)
高校在学中、滝崎氏は自治会や生徒会の役員になります。
このとき、滝崎氏は先頭に立って市内5校で連合会を作っています。
ご本人は
“「(自身が通っていたのが女子生徒のいない工業高校だったので)女学生のいる学校に遊びに行きたかっただけかもしれません」”
と多少冗談めかしてはいますが、高校生にしてリーダーシップ
を取ることのできる人物だったことがわかります。
また、この経験からでしょうか
“「人を組織することに興味を覚えた」”
とのちに語っています。
時代はちょうど大学紛争の頃、自治会の役員をしていた滝崎氏は京都大学などで学生運動をしている人々と出会うことになります。
滝崎氏が、学生運動をしている年上の人々と知り合ったなかで、気が付いたのは、
思想というものは文学や芸術と同じで好き嫌いの世界
で、そういった客観的に測れないものは自分自身の性格上、相容れないものだということ。
そして、
経済というのは数字の世界だから客観性があり、企業の善し悪しも数字で対比すれば分かるもの
だということでした。
そして、滝崎氏は志を立てます。
自分は主観だけで判断するものには向いていない。
それなら、一流の事業家になろう。
それも、デザインや個人の趣味、趣向に左右される消費財ではなく、ユーザーの生産性を上げることに狙いを絞り込み、機能や性能に対して価格が安いか高いかで評価される生産財
がいい。
1964年(昭和39年)3月滝崎氏は、兵庫県立尼崎工業高校電子科を卒業すると、実社会に足を踏み入れます。
実社会に足を踏み入れた滝崎氏は、エンジニア
となり24歳で独立を果たしますが・・・
最後まで読んでくださってありがとうございました。
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その②に続きます⇒社員の平均年収2,279万円!資産約3兆1700億円 キーエンス創業者・滝崎武光氏はどこまでもミステリアス②(新しいタブが開きます)
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元キーエンス従業員の方が書かれた本で、最もオススメしたいのがこちらです。
次にオススメしたい、充分に一読の価値があるのがこちらです。
【2018年11月に出版】キーエンスでの経験を生かしたサイト運営について普遍的で重要な事柄が凝縮された一冊
キーエンスの社内ベンチャー・イプロスでウェブサイト作成・運営に携われた方の本です。
「心に触れるホームページをつくる」
筆者の秋山典丈さんは、キーエンスの社内ベンチャー・イプロスで『製造業向けマッチングサイト』を企画された方です。
東京工業大学大学院理工学研究科情報工学専攻修士課程修了後、1995年にキーエンスに入社。
2000年にキーエンスの社内ベンチャーとしてスタートしたイプロス(株式会社 イプロスとして法人設立は2001年)の立ち上げに参画され、「徹底的に受け手の身になってサイトを作る」ことに向き合われた経験を生かして書かれた本です。
秋山さんは2003年に独立され、現在はシステム開発とサイトコンサルティング・商品企画コンサルティングに携わる株式会社 レクタスの代表取締役を務められています。
この本では、個人でも法人でも、また初心者から上級者までサイト作成・運営にとって重要なことが満載されています。
私も折に触れて読み返しています。
サイト作成に関する本は多く出版されていますが、ここまで普遍的で重要な事柄が凝縮されている本はめったにありません。
キーエンスに興味のない方でも、ご自分のブログやサイト、そしてSNSで見る人の心をガッチリ掴みたいと少しでも思われている方なら、ぜひお読みになってください。
一橋大学イノベーション研究センターとキーエンスに長年在籍した方による共著です。
キーエンスの内部を知るには最もわかりやすいと思います。
ただ、『キーエンス~驚異的な業績を生み続ける経営哲学』というタイトルですが、『経営哲学』はどこにも書かれていません。
『経営哲学』を『経営目標』『経営手法』と読み替えるのが正しいと思います。
Kindle版しかありませんが、こちらもオススメできます。
また、もう一冊だけ、現在紙の書籍で入手することは困難ですが、機会があればぜひ読んでいただきたい本があります。
キーエンスに1986年に新卒で入社され、アンリツを経て、現在は立石シゲオ中小企業診断士事務所代表として活躍されている、経営コンサルタント・立石茂生氏が2014年に書かれた書籍です。
キーエンスで得られたノウハウを含めて、高収益企業を実現する経営指南書で示唆に富んだ良書中の良書なのですが、残念ながら古書でも手に入れるのは難しい状態です。
立石氏のホームページによると、2016年9月の時点では30,000円で古書がネット上で販売されていたようです。
これには、著者の立石氏も戸惑われたようですが、この本にそれだけの価値があると認められていることも、また事実でないかと私は思っております。
そのような状況が長く続きましたが、2020年8月にアマゾンKindleにて第2刷として出版されました。
Kindle Unlimited 会員の方は、このタイトルを追加料金なし(¥0円)でお読みになれます。
ご一読をおすすめいたします。
他にも元キーエンスの方が書かれた本があります。
参考にはなりますが、あえてこの場でおすすめするのは、控えさせていただきます。
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