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第157回芥川賞受賞作に沼田真佑氏の「影裏」 直木賞に佐藤正午氏の「月の満ち欠け」が選ばれました
7月19日に築地4丁目の料亭「新喜楽」で第157回芥川賞・直木賞の選考が行われました、
芥川賞には、沼田真佑氏の「影裏」(えいり)(文學界5月号)。
直木賞には、佐藤正午氏の「月の満ち欠け」(岩波書店)が選ばれました。
単行本は初版4万部。最終的に 7万3,000部発行されました。
2019年9月には文藝春秋から文庫化され、文春文庫に収められました。
単行本には未収録の芥川賞受賞後第1作「廃屋の眺め」(「文學界」2017年9月号掲載)
第2作「陶片」(「文學界」2019年1月号掲載)が併せて収録されています。
わたしは、今村夏子氏の『星の子』が受賞するんじゃないかなと予想していたので、文學界5月号で、沼田氏の受賞作を読んでいたものの、もう一度、読み直しました。
第157回芥川賞受賞作に沼田真佑氏の「影裏」の感想と簡単なあらすじ
まず、全体から言いますと、短いです。
まあ、短編小説ですから、そう言ってしまうと身も蓋もないのですが。
しかし、短いからと言って、簡単に読み進めさせてくれない印象を持ちました。
文章が読みにくいとか、文体が独特でとっつきにくいだとか、表現が個性的だというのではありません。
文章が読みやすいし、真摯で的確です。
全体にミステリアスな雰囲気を醸し出しています。
ありきたりの言葉でいえば、《深い》。
そして、読み手に油断をさせない何かがある。
なので、簡単に読まさせてくれない小説だという感想を持つに至りました。
ストーリー(あらすじ)を簡単に説明すると、『盛岡市に転勤になった主人公が、日浅という男と、趣味の釣りを通じて親交を持つようになった、男ふたりの話』です。
釣りの描写は本当に素晴らしいです。
釣りを趣味とされている方なら、思わず感心してしまうのではないでしょうか。
私も釣りをしますが、「釣りのシーンをここまで書ける人っていないんじゃないかなあ」と感じました。
受賞インタビューで、「東日本大震災やセクシャルマイノリティの問題に向き合った」と、記者からネタバレのような質問があったのでそれ以上は省きますが、そういうところも、直截ではなく、読者に想像を拡げさせるように書いている。
私としては、そう感じました。
2017年8月10日に発売された文藝春秋では全文と選考委員の選評が載っています。
選考委員の選評をを読むと、下記の構図が浮き上がってきます。
積極的に賛成:山田詠美・吉田修一・高樹のぶ子・島田雅彦
消極的に賛成:堀江敏幸・川上弘美
反対:村上龍・奥泉光・宮本輝
選考委員9名のうち、過半数の票が集まれば授賞となりますので、
○が4人で4票。△が2人で1票の合計5票で授賞となったと思われます。
もっとも、選評を書くのは選考会が終わってからですので、選考会での賛成・反対と、選評では言葉のニュアンスが変わっていることがあります。
沼田真佑氏のプロフィール
沼田真佑(ぬまたしんすけ)さんは、1978年10月30日 北海道小樽市で生まれました。
親御さんが転勤族だったようで、主に関東圏(神奈川県、千葉県、埼玉県)で小学生時代を過ごし、中学校時代からは福岡県福岡市に移ります。
高校は、福岡大学附属大濠高等学校を卒業。高校卒業後は西南学院大学商学部へ進学。
卒業後。岩手県盛岡市に移住され、在住されています。
初めて作者のお姿を拝見したときは、寡黙で真面目な文学青年というイメージだったのですが、
『ジーパンを一本しか持っていないのにベストジーニスト賞をもらった感じ』というコメントは素敵でした。
最初のイメージを、ひとことで変えてしまった。
それによって、グッと作者の魅力が増しました。
「影裏」は映画化され、2020年2月に公開されました
「影裏」は、大友啓史監督・綾野剛さん主演で映画化され2020年2月に公開されました。
この映画の出演者は大変豪華です。
松田龍平さん・筒井真理子さん・中村倫也さん・平埜生成さん・國村隼さん
永島暎子さん 安田顕さんが共演されました。
撮影にあたっては、原作が尊重され、小説の舞台である岩手県盛岡市でおこなわれました。
ロケーションをご覧になった地元の方々はいい思い出になったことでしょう。







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