コミック海賊版サイト騒動はいつ終わるのか? もちろん絶対に許されない

コミック海賊版サイトが有名になってしまった日

はる坊です。

2018年2月11日のNHKのニュースにおいて、コミックの海賊版サイトが取り上げられました。
テレビ画面上では、その海賊版サイトは、薄く消して放映されましたが、そのサイトが『漫画村』であることは明らかでした。

もし、報道内容が、海賊版サイトに多くのユーザーが集まり漫画業界に悪影響を与えている。
スマホを通じて無料で読めるからといって、簡単にアクセスをするのはウイルス等の問題もある為、危険だ。抵抗なく、安易にこのようなサイトにアクセスをする倫理観や風潮も問題視しなければならない。

というようなところで終わっていれば、この2週間のあいだ、漫画村を巡ってツイッターや5chを中心に、これほどまで盛り上がることもなかったと思います。

しかし、NHKが堂々と漫画村の閲覧自体は日本の法律では罪に問われないと放送したことにより騒動に火がつきました。

テレビの時代が終わったという声もあちこちで聞かれますが、それは、リアルタイムで視聴する時代が終わったという意味で、社会に大きな影響を与えるメディアに変わりはないと思います。

このNHKの報道で一番気になったところは、海賊版サイトに、昨年12月の時点で23万人の利用者が存在すること。

そして、海賊版を閲覧すること自体は日本の法律では罪に問われることはないと、顔を隠した専門家の声ではなく、大阪大学大学院高等司法研究科の茶園成樹教授の名前を出して報道した点が、漫画村にアクセスしてアップロードされている漫画を読んでも合法なんだ。NHKがニュースで言ったんだから間違いないという認識を一定の視聴者がもたせてしまったところにあると思います。

放送後のアクセス量はうなぎのぼり

放送後、漫画村へのアクセス数は急上昇。

5ちゃんねる(2ちゃんねる)、価格コム、ライブドアと並ぶアクセス数を得るようになります。

月間利用者数(UU)は約9892万人。
巨大メディアの一角です。

知的財産法(知財法)を専門とする大学教授のお墨付きという根拠。
この情報は瞬く間にTwitterを中心に広がり、是非について議論まで始まりました。

検索エンジンで〝漫画村 NHK〟と検索すると、 真っ先に、漫画村の滝本竜彦氏原作・大岩ケンヂ作画の漫画版『NHKにようこそ!』のページが一番上に挙がってくる始末。
(この作品におけるNHK=日本ひきこもり協会ですけれど。)

もう笑い事では済まない事態になっています。
『出版月報 2018年1月号』、日本国内における2017年の電子書籍の売上高は前年比16.0%増の2215億円。
内訳でも、電子書籍の稼ぎ頭であり、一番高い伸びを見せているのは電子コミックで、同17.2%増の1,711億円となっています。

出版業界において紙の出版が前年比10%台の落ち込みを見せているなか、電子書籍・ネットコンテンツは出版業界において、命綱ともいえます。

海賊版による被害額って?

古いデータになりますが、2014年に経済産業省がまとめた報告書では、海賊版による被害は500億円に上ると推計されています。
それから4年目を迎えて、被害額は膨大な額へと伸びているのではないかと思います。

〝購入厨〟と笑われても構いません。

私は、コミックを買うかレンタルして楽しむ人間です。

読み終わったら、勿体ない気持ちもあるけれど、作者に敬意を示した上で捨てるのが、新たな読者が新たにコミックを手に取るのに一番正しいとは思いますが、愛着のある作品を手放すのが惜しいため、なかなか踏み切れません。
ここ数年は、スペースの都合もあって、私がコミックを購入するときには電子コミックを選ぶ割合も増えてきました。

1巻からずっと本棚に並べて眺めたいというコレクション的な嗜好を持たれている方は、従来の紙製コミックが必要でしょう。
しかし、電子コミックの場合は、最初の何巻かが無料で読めたり、本のコミックより安く購入できる利点があります。
また、リアル書店のコミックコーナーではなかなか出会うことができないマイナーな作品に巡り会える機会が増えます。

マイナーだからといってつまらない作品と考えるのは早計です。

中にはアプリやサイトに無料配信したおかげで人気に火がついた作品もあります。
例を挙げると今井大輔『ヒル』

紙製のコミックスでは、全5巻で5万部しか売れていなかったのですが、無料配信をおこなってみたところ人気を呼び、電子コミック版が月に7万5000部ダウンロードされるようになりました。

1冊あたり1万5000部のダウンロード。

紙製コミックだけで終わっていたら、埋もれた作品になっていた可能性が高いです。
見直されることがあっても、ずっと先になったことでしょう。
紙のコミックだけでは、イマイチ売上が伸びなかった。

そんな作品が早い段階で再評価を受け、ヒット漫画になる要素を電子書籍は持っています。

あずみきしによる『死役所』もコミックシーモアで人気を得たのがきっかけとなって、電子版が50万部以上、紙版が70万部売れるヒットとなっています。

電子発でヒットするマンガは、どこかクセがちょっと刺激がありそうで、それが自分に合うかどうかわからないので、リアル書店やネット書店では、中身もあまり読まないままで、サッと手を伸ばすのには躊躇をしてしまうけど、無料で読めるというきっかけがあって一度読んでしまうとハマってしまう読み手が多いという特徴があります。

紙の漫画や本が売れている作者だと、本の売上構成は、紙10:電子1~2という割合です。

これが完全に逆転した現象が見られるのは、漫画雑誌に連載される⇒まとまったところでコミックスになる⇒ヒット作が生まれるという、従来の漫画業界の流れとは、まったく別のところにあります。
出版社は当然ながら、本や漫画を作ることには長けています。

しかし、いざ売る段階となると弱い部分を感じざるを得ません。
漫画雑誌も売れなくなりました。最高で653万部を記録した週刊少年ジャンプも、現在では200万部を切っています。
また、かつて最高で436万部を発行した週刊少年マガジンも現在では80万部にまで落ちています。
そんな状況を尻目に、電子書籍業界はコミックを中心にどんどん成長しています。

コミックレンタルという方法もあります!

また、コミックを楽しむのにレンタルでもいいのだなと思ったのは、著者にきちんとお金が入ることが分かったからです。

貸与税成立により、
・定価550円未満・・・265円
・定価1,000円未満・・・480円
・以後定価500円加算ごと・・・320円追加
※貸与回数に応じて支払う場合には1冊1回毎に定価の8%
が著作権者に支払われるようになりました。

この貸与税成立時には、週刊少年ジャンプにも読者に報せる文章が載りました。
販売部数減少に歯止めが掛からない状況では、貸与税を受け取れることが将来的に事業展開に大きな影響を与えると考えられたせいではないでしょうか。

コミックレンタルは、紙のコミックスか電子コミックの両方で、どんどん利用者が広がっています。
電子の分野で成長を続けているのは、Renta!を運営・経営するパピレスです。
富士通の社外ベンチャーとして出発して、現在はJASDAQ上場企業です。

現在、台湾子会社『パピレス台湾』へ増資して、台湾での販売充実を目指し、また、中国・英語圏向けに翻訳体制を強化しています。

これは、アニメと並んで日本が生んだ文化である漫画(コミック)が、台湾や中国、そして英語圏まで浸透していることを証明しています。
eBookJapanは、イーブックイニシアティブジャパンというのが運営会社の社名で、2011年11月にマザーズ上場を果たし、2年後の2013年11月には東証1部に上場しています。
イーブックイニシアティブジャパン eBookJapan



両者とも年間売上高100億円台の企業です。
また、コミックレンタルにおいては、DMMを始めとして、TSUTAYA DISCAS・ぽすれん・ゲオといった大手も参入しています。
特にDMMは、1度のレンタルで送料が840円かかりますが、1冊のレンタル料が80円で最大20泊21日利用できます。

80冊借りたとして、80円×50冊=4,000円。
送料840円と合計して4,840円。
1冊あたり96.8円で約20日間コミックが楽しめます。
いつでもどこでも漫画が読める!!【DMM.com 電子書籍】



ネットやスマホから注文するとゆうパックで送り届けられ、また、返却時にも集荷に来てもらえます。
配送の時間指定も可能で、漫画好きには非常に便利なサービスだと思います。

海賊版サイトの今後・・・

さて、2017年5月、海賊版サイト『Free Books(フリーブックス)』が閉鎖されました。
閉鎖までの1カ月間で被害額は100億円に上ることが全国紙で報じられました。

海賊版サイトが、コミック市場に大きな影響を及ぼしていることがわかります。
『Free Books(フリーブックス)』の開設は2016年の11、12月頃だとみられています。

また、2017年10月に海賊版サイトに誘導するリーチサイト『はるか夢の址』が、摘発を受けました。
2018年1月、大阪地裁で行われた初公判では、著作権法違反罪に問われた5人の内、4人は起訴内容をおおむね認め、残る1人は黙秘しました。このサイトは2008年に開設されたと見られています。

この海賊版サイト2つの閉鎖を見て思うのは、出版社の動きが緩慢であることです。
『Free Books(フリーブックス)』は比較的短期間ですが、それでもサイト閉鎖までの1カ月だけで100億円の被害額が生じています。
『はるか夢の址』は開設当初から約10年が経って摘発されています。

出版社はスマホが浸透して、本やマンガが売れなくなったと言いますが、無料でコミックを読めることでアクセスを増やし広告収入を得るビジネスモデルに乗り遅れて、海賊版サイトを野放しにしていた期間が長すぎたため、この事態を招いたとも考えられます。

漫画村は今後どうなっていくでしょうか。

私はこのまま隆盛を続けるとは思いません。漫画村と漫画村Zは、短期間であまりにも有名になりすぎました。
サイトのデザインもシンプルで、出版社が運営している正規のサイトよりユーザー思いであることは認めます。

無料で漫画が楽しめることを喜ぶ人がいる一方で、読者の倫理観に訴えるだけでは済まない問題だと、出版社が手を打ってくる可能性は高いでしょう。
また、ここまで議論が盛り上がると、国が規制を目的とする法案を提出する可能性もあります。

漫画村自体は、違法サイトではないという見解をみせていますが、コミックだけではなく、女優やアイドルの写真集も扱っているところで、何か突破口が出てくるような気がしています。

こういう類いのものは、いたちごっこです。

漫画村の開設と運営に携わっている人々は、日本の法律の隙をついて行動しました。
現状において、ユーザーがサイトを閲覧すること自体は罪に問えない、という見解を法科大学院教授がするほど見事なものです。

しかし、合法といわれていたものが違法に変わるときは、それは、案外あっけないものであったりするのです。

※やはり、この記事を発表して早くに、違法サイトは閉鎖されました。

最後まで、読んでくださり本当にありがとうございました。
他にもお役に立てる記事があるかと思いますので、どうぞお楽しみくださいませ。




日々、オフィスや現場で、一生懸命に働く男性にとって自分の体は資本そのものです。
しかし、時代の変化とともに男性の役割は増えてきています。

昔は、がむしゃらに働いていれば、それだけでよかった。少々、荒っぽくても、それが男らしい姿だと女性や子どもの目に映りました。

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